妊娠をした従業員に対する「マタハラ」問題に対して、 ガリバーアウトレット仙台港店に申し入れをしました!

活動報告

株式会社IDOMが運営するガリバーアウトレット仙台港店に勤務するAさんが、仙台けやきユニオンに加盟し、Aさんに対するマタニティ・ハラスメントへの謝罪・責任追及のために団体交渉を申し入れました。

 

◯妊娠を「迷惑」という会社

2021年末ごろからガリバーアウトレット仙台港店でパートタイマーとして働いていた従業員Aさんは、新年度の 2022 年 4月に自身が妊娠していることを知り、その事実を店長に伝えました。その後、つわり等で体調が悪くなり、会社を休むことが多くなりました。

その際、一週間程度の休みを相談したところ、店長より、「今月のシフトは白紙にします」と一方的に就労日を削減されてしまいました。その後、店長からは、「今回の欠勤の理由、みんなに伝えたのでお詫びしておくように。わかってるようにだいぶ迷惑はかかっています」と SNS 上でメッセージが届きました。下記がそのメッセージです。

これらの「妊娠中の体調不良が迷惑である」という内容の発言に、Aさんは大きな精神的苦痛を受けました。これらの発言を含め、他の従業員に対する謝罪を求め、妊娠が迷惑であることを周知させてAさんの就労環境を害すること、妊娠による体調不良を理由に出勤日を一方的に削減するなどの一連の行為は、妊娠・出産を契機とした不利益取り扱いであり、マタニティ・ハラスメントです。違法行為であり、社会的に絶対に許されることではありません。また、このことについて会社の相談窓口にも相談しましたが、具体的な解決策を提示されず、退職方法を紹介されるだけでした。

これらの事実は、会社が組織的に妊娠した従業員は迷惑と考え、退職に追い込んでいるということです。妊娠した従業員を「コスト」として考えていると言わざるを得ません。

 

◯許されないマタニティ・ハラスメント

マタニティ・ハラスメントとは、働く女性が妊娠・出産を契機に職場で精神的・肉体的な嫌がらせを受けたり、妊娠・出産を理由とした解雇や雇止め、自主退職の強要で不利益を被ったりするなどの不当な扱いを意味します。

改正男女雇用機会均等法及び改正育児・介護休業法では、妊娠・出産したことや、法に基づいた制度の申出や休業等を取得した労働者に対し事業主が不利益な取扱いをしないよう、また、上司や同僚等からのハラスメントを防止する措置を講じるよう定めています[i]

例えば改正男女雇用機会均等法第9条第3項(抄)において、「事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、その他の妊娠又は出産に関する事由であって厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。」と定められています。ここでの「労働者」とは、正規雇用労働者のみならず、パートタイム労働者、契約社員等いわゆる非正規雇用労働者を含む事業主が雇用する労働者の全てをいいます。

また、事業主が職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針[ii]において、「職場における妊娠、出産等に関するハラスメントに係る言動を行った者については、厳正に対処する旨の方針及び対処の内容を就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書に規定し、管理監督者を含む労働者に周知・啓発すること。」が明示されています。

Aさんに対する、妊娠を理由としたシフトの削減や、妊娠は迷惑だというメッセージを送る嫌がらせ、就労環境を害することは、すべて違法行為であり人権侵害です。また、マタニティ・ハラスメントをした店長を含め会社は、責任をとる必要があります。

 

◯女性活躍ができるのは正社員だけ?

株式会社IDOMは企業理念として、ホームページに「IDOMは、性別、国籍、年齢、勤続年数、障害の有無などの属性に関わらず、従業員それぞれの能力を十分に発揮し、活躍できる環境を構築しております。」と表記しています。また、「働き続けたい女性社員が、イキイキワクワク働ける会社作り」をスローガンに、全女性社員の活躍支援のための「さくらプロジェクト」を2008年から運営しています。

しかしながら一方で、パートで働く非正規労働者に対しては、妊娠して働けなくなると容易に使い捨てるということが起きていました。女性活躍が社会や職場で叫ばれていたとしても、会社のなかでより弱い立場にある非正規雇用の女性の働く権利が守られていなければ、本当の意味での女性活躍は達成されないでしょう。

今回の事案のように、女性正社員には働きやすい環境を提供するが、非正規社員に人権侵害をすることを許していることがあっては、今後絶対に職場からも社会からも女性差別がなくなるはずがありません。Aさんが組合で闘う決意をしたことは、女性労働者が雇用形態を問わず差別されない労働環境を形成することや、体調不良で休むことすらも許されない過酷な労働環境に対しても問題を提起することにもなります。

 

◯Aさんからのコメント

本来なら喜ばしい出来事の妊娠。

でも、私が今回経験したのは妊娠をしたということに対する沢山の精神的苦痛でした。

突然の就労削減や、まるで迷惑行為をしたかのような心無い言葉達。手のひらを返した様な上司の対応に心は日に日にボロボロになっていきました。「この会社は妊娠した女性に対して毎度このような扱いをしているのか?」と疑問にも思いました。

このままにしていたら私の様な思いをする女性がどんどん増えていくと思います。その様なことを避けるため、そしてもちろん自分が受けた不利益扱いに納得できず、けやきユニオンに加盟して戦うことを決めました。

 

 

◯産休・育休の権利を獲得し、ハラスメントのない職場を作るために、応援よろしくお願いします!

 組合とAさんはこれから一緒に会社と交渉し、一連の会社の対応について以下のことを要求します。

1,マタニティ・ハラスメントをした事実に対して謝罪をし、責任を取ること

2,ハラスメントが横行する職場改善への具体的な対応を明示し、Aさんが働き続けられるようにすること

3,会社都合の休業に対して休業手当を支払うこと

 

会社にはまず、Aさんが妊娠・出産・育児をする権利を侵害し、そしてそれを理由に労働者として働く権利を侵害したという事実に対して真摯に向き合い、責任を取って欲しいと思います。そして、この交渉を通して、育休・産休の権利を獲得したいと思います。

また、Aさんと同じように妊娠を理由とした労働問題を抱える方や、それに関らず、更年期や生理による体調不良で会社から不利益扱いを受けた方はぜひ組合にご相談ください。

 

 

[i] 厚生労働省「男女雇用機会均等法、育児・介護休業法のあらまし」(令和4年2月)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000193221.html

 

[ii] 厚生労働省「事業主が職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(改正令和二年一月一五日厚生労働省告示第 六号)

https://www.mhlw.go.jp/content/000643875.pdf

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