個別指導塾X社で起きた塾講師の学生に対する不当解雇事件を解決しました!

活動報告

 私たち仙台けやきユニオンは、2023年6月より、仙台市内の個別指導塾Xと不当解雇事件について交渉しておりましたが、解決ができたのでご報告です。

〇不当解雇事件の概要

 個別指導塾X社で働いていた学生バイトのAさんは、勤務態度が悪い、改善する意思がないとして解雇されました。発端は利用者である子どもたちからのクレームでしたが、そのことに対して何が悪かったかの説明やそれに対する適切な指導もありませんでした。しかも、私たちが団体交渉をする中で、本当に勤務態度が悪く改善の意思がなかったのかと追及すると、実はAさんは勤務態度を改善する意思があり会社側もそれを認めていたことが確認されました。つまり、会社のいう解雇理由の主張は事実無根であったのです。まさに、不当解雇と言えるような事件でした。詳細は過去の記事をご覧ください。

 

①学生バイトへのパワハラ・不当解雇に抗議する団体交渉を開始します!

仙台市の個別指導塾X社に対して、学生バイトへのパワハラ・不当解雇に抗議する団体交渉を開始します! | 仙台けやきユニオン (sendai-keyaki-u.com)

②適切な指導もなく、いきなり解雇。 学生バイトへのパワハラ・不当解雇を争う団体交渉が始まりました!

仙台市の個別指導塾X社は塾講師を適切な指導もなく、いきなり解雇。 学生バイトへのパワハラ・不当解雇を争う団体交渉が始まりました! | 仙台けやきユニオン (sendai-keyaki-u.com)

③【仙台市の個別指導塾X社】不当な解雇理由に固執し不誠実な個別指導塾X社に対して街頭宣伝を行いました

【仙台市の個別指導塾X社】不当な解雇理由に固執し不誠実な個別指導塾X社に対して街頭宣伝を行いました | 仙台けやきユニオン (sendai-keyaki-u.com)

 

〇解決内容

 ユニオンは会社に対して団体交渉を行い、街頭宣伝も行いました。その結果、今回起きた問題について会社のやり方は間違っていたと会社に謝らせることができ、そしてAさんへの不当解雇に対して解決金を支払ってもらう形で解決することができました。また、会社は労働環境を改善することも約束しています。声を上げなければ獲得できなかった、大きな成果を手に入れることができました。

〇Aさんの思い

 今回起きたことの発端は、教えている子どもたちからの「クレーム」でした。その内容の中で、改善すべきことは改善しようと努力してきました。しかし、会社からはまともな指導はありませんでした。だから、自分の努力が正しい方向に向いているのかはわかりませんでした。また、クレームの中には、私個人の問題ではなく、「クレーム」をあげた子どもの側にも問題があることもあったと思います(いわゆる「カスタマーハラスメント」に該当する可能性のあるもの)。少なくとも、私のやり方がどういう風にダメだったかをもっと検討すべきことだったと思います。しかし、そういう機会もありませんでした。そして、結果としては、いきなり解雇される、ということになってしまいました。こんなこと、納得できるわけがありません。上司の方は、自分自身もいっぱいいっぱいだったのかもしれませんが、ただ私を責めるのではなく、公平な目線で物事を見て、かつ適切な指導をするよう努力してほしかったと思います。うまく対処できなかっただけかもしれません。でも、そうであるなら、ただ私を責めるという形にはしてほしくありません。自分自身にだって、欠点はあると思います。仕事上、改善しなければいけなかったことも、当然にあると思います。しかし、それはこちら(労働者側)が常に一方的に悪いというだけでは解決しないことだと思います。きちんと問題を精査し、必要な改善をすべきです。

 

 今回、解決金をいただく形での解決ということになりましたが、心のもやもやはなくなっていません。私は、塾講師として子どもに寄り添い、円滑なコミュニケーションの中で指導し、その子の将来に少しでも貢献したかった。実際、X社で働く中で子どもにしっかり指導していくことは、やりがいでした。それをいきなり奪われたことは、そのせいでお金がもらえなくなったこと以上に憤りを感じていました。今回は上記の通りの解決になりましたが、X社は今回のことを本当に反省してほしいと思います。多くの塾講師が、やりがいをもって子どもに接していると思います。子どもにとっても、先生方との信頼関係は重要です。それを構築していくための努力を塾講師も会社もしていくべきであり、何か問題があればすぐに労働者である塾講師のせいにして「問題をなくす」ようにするのは違うと思います。それは、頑張ってきた塾講師たちにとっても侮辱にもなりえるでしょう。会社のこういう態度はしっかりと反省すべきだと思います。

 

 会社は、こういう問題に真摯に向き合い、会社の体質を変えていってほしいと思います。私は今後の人生のためにこの職場は離れますが、この会社で塾講師に挑戦できたことはとてもよかったと思っています。多くの生徒のよりよい未来を支えられるように、しっかりとした会社になってほしいと思います。今回の結果は、私一人ではなしえませんでした。できることはしておきたいと思って、労働局や法テラス、東北労働弁護団に相談し、ユニオンを紹介してもらうことができました。多くの人の支えでこうした結果になったと思います。逆に言えば、一人では難しいかもしれません。同じような問題で困っている人は、ぜひユニオンなどの相談機関に連絡してみてください。きっと、支えになり、良い結果につながるのではないでしょうか。

 

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