「フリーランス」の理学療法士に対するパワハラ問題で雇用主と交渉中です! 雇用主からの壮絶なパワハラ被害の実態をお知らせします

活動報告

今年2月、組合員の理学療法士Xさんを過去に雇っていた先輩の理学療法士A氏、およびXさんとA氏を形式上雇用していたBクリニックに対し、過去のパワーハラスメント以下パワハラ)に対する謝罪と損害賠償を求めて団体交渉を申し入れました。

XさんはA氏から長年に渡り人格否定と罵倒を繰り返されるパワハラを受けていました。

Xさんは一見すると依頼主と対等で働き方の自由が大きそうな「フリーランス」(個人事業主)の理学療法士として働いていましたが、その実態は雇用主からの指揮命令を背景にハラスメントを受忍せざるを得ない従属的なものでした。また、この記事の最後で触れるように、2019年にはBクリニックがXさんとA氏の両者を雇用し働かせることで加算を得ておきながら、こうしたハラスメントの発生を防止していないという問題も浮かび上がって来ました。

 

〇雇用主からの長期にわたる過酷なパワハラ

Xさんは、2011年4月からA氏と「業務委託」契約を結び、A氏の指示のもとで介護施設等でのリハビリ関係の業務に従事していました(既に退職済み)。その中でXさんは、A氏から長期にわたる過酷なパワハラを受けていました。

XさんはA氏から3カ月に渡るケースレポートの提出を求められ、睡眠時間を十分にとることができず、指導の名目で人格否定などを受け、体調を崩すようになりました。また、A氏から会議やA氏が講師のセミナーなどで次のような暴言を受けています。これらの発言はXさんが当時録音を取っており、証拠が残っています。一部を紹介します。

1)「馬鹿」「アスペルガーか」「どうやって生きてきたんだ」などの罵倒。

2)「この目の前の川に絶対入れさせっからみんなで見ててよ」などの発言。

3)「(タイラップで手足を拘束して)おしっこ漏れるまで大体12時間ぐらいそこで放置してもらえたら、泣いていると思う。それを写真撮ってアップする」などの発言。

4)「これで目を突いてやりたい気持ちになった。あるいは〇〇(身体のセンシティブな部分の名称)に入れるとかお前のあらゆる穴にぶち込んで、これを(ペン)折ってやりたい気持ちになるんだよ。もう手術しないと治せませんみたいなレベルにしてやりたいと思ったね」といった発言。

以上のようなハラスメントによる強いストレスを受け、Xさんは体調を大きく崩してしまいます。2011年から過敏性腸症候群、不安神経症、うつ状態、不眠症、その後うつ病と診断され通院しながら働きました。2019年12月に不眠症、神経性胃腸炎の発症による「就労困難であり2週間の休業が必要」との診断を受け、Xさんは働き続ける事はできないと考え、退職する事となりました。

なお、Xさんが2019年12月に休職の申請及び退職願いをしたところ、A氏は当初それらについて了承していたにも拘らず、業務上の書類の提出を求めるなど、休職させず、Xさんは精神的に更に追い詰められました。

 

〇ハラスメントへの謝罪と損害賠償

これらのパワハラは悪質な人権侵害であり、社会的に許容されるものではありません。また人々の心身の健康を守る理学療法士の発言としても不適切だと考えます。長期に渡りこうした被害を受け続けたX氏の苦しみは筆舌に尽くしがたく、心身への被害や、今後一生に渡り必要となる医療費など経済的被害も甚大です。

組合とXさんはこうした一連のハラスメントに対して、次の通り要求をしています。

①精神的苦痛に対して謝罪すること

②今後ハラスメント行為を一切しないと約束すること

③精神的苦痛およびそのストレスに起因する身体的苦痛に対する損害賠償を支払うこと

 

〇フリーランス(個人事業主)でも労働組合で交渉できる!

A氏は各介護施設から取ってきた理学療法士としてのリハビリ支援の仕事の実行をXさんに委託し、Xさんが実際に各介護施設まで出向いて働くという形式です。

各施設はまずA氏に委託料を支払い、A氏はそこから自身の取り分を差し引き、Xさんに委託料を支払っていました。XさんがA氏と結んでいた契約は、A氏からは「業務委託」と言われていました。つまり、XさんはA氏の下で働く労働者ではなく、あくまでフリーランス(個人事業主)の理学療法士としてA氏と対等な立場で仕事を請け負ったということになります。

フリーランスは、雇用関係にある労働者に比べて、労働時間や仕事の進め方などについて自分自身で決定できる余地が大きく、そうした働き方に魅力を感じて会社を辞めて独立する人も多くいます。

しかし、Xさんの場合はA氏の強い指揮命令下にあり、実態として労働法で保護されるべき労働者だといえるものでした。

Xさんの仕事はもっぱらA氏が取ってきたものであり、Xさんが仕事を選んだり断る事はできず、勤務時間もXさんに決定権はありませんでした。また、仕事の進め方についても、A氏からの指揮監督を日常的に受け、その方法についてA氏と頻繁に打ち合わせる必要がありました。上述したパワハラはこうした指揮監督の中で起きています。労働法上は、請負契約なのか労働法で保護される労働者なのかは、その働き方の実態で判断されます。このようなXさんの働き方は、実態として労働者であると言えます。

このような場合、本来のフリーランス(個人事業主)が持っているはずの仕事に対する裁量や自由な権限を実際に認めるように交渉する事ができます。

あるいは、実態が労働者だということに着目し、労働法を適用し、(今回のXさんの事例では当てはまりませんが)未払い残業代の支払いや最低賃金の適用などを求めることもできます。

実はどちらの場合でも、労働組合に加入して使用者と交渉することが可能です。フリーランス(個人事業主)は労働組合に入れないと思われがちですが、取引先に対する従属性が強いなどの一定の条件を満たせば、労働組合法上の「労働者」として団体交渉を行うことができます。

 

〇雇用関係を都合よく使いながら使用者としての責任を負わない?

Xさんは2011年からA氏の指揮命令下で、形式はフリーランスとして働いていましたが、2019年からはXさんとA氏はBクリニックと雇用契約書を取り交わし、Bクリニックに雇用された労働者として介護施設に出向くこともありました。これは介護保険の「生活機能向上連携加算」を受けるためです。この加算は形式上個人事業主の理学療法士にはつきませんが、Bクリニックに雇用された労働者として働く事で、加算を受けられるようになります。これによって、Bクリニックも、A氏やXさんも報酬を増やすことができました。

しかし、Bクリニックは雇用主としてA氏のハラスメント行為を防止する安全衛生法上の義務を負ったにもかかわらず、実際にハラスメントの防止に動くことはありませんでした。Bクリニックは私たちの団体交渉の申し入れに対しても、問題はXさんとA氏の間で起きたことであり、Bクリニックは関係がないと回答しています。

しかし、A氏からのハラスメントはBクリニックの労働者として出向いた介護施設の業務においても発生していました。雇用をした使用者として、職場環境を安全に保つ義務を果たさないまま介護保険の加算のみ利用するのは、問題ではないでしょうか。

 

〇皆様の応援をよろしくお願い致します

私たちは4月半ばにA氏と団体交渉を行います。今回の交渉を通じて、Xさんの被害回復のみならず、エッセンシャルワーカーである理学療法士やフリーランスの労働環境の改善につなげていきたいと思います。

また、Xさん同様に理学療法士やフリーランスとして働く方でお困りの方がいれば、お気軽に組合にご相談ください。

最後に、今回申し入れを行ったXさんのコメントを紹介します。

ご利用者の心身及び生活を支える者として、また社会人として、あってはならない事が起きていました。辛い時間は長期に渡り、二度と取り返す事はできません。そして今後の私の健康も通院無くしてありえません。A氏には自分が行ってきた事と向き合い誠意ある対応を望みます。

 

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