仙台の有名観光地、定義山の飲食店で従業員が不当解雇の被害に。有限会社「はやとみ」は責任をとってほしい

活動報告

私たち仙台けやきユニオンは、この度、定義山にて飲食店を営む有限会社「はやとみ」に対して、団体交渉を申し入れました。組合に加入したのは、飲食店で長年働いてきた、Xさん(40代女性)、Yさん(40代女性)、Zさん(10代男性)です。事案の詳細は以下の通りです。

〇「業績不振」「業務形態の変更」のために解雇されたのに、何も変わらず営業している「はやとみ」

組合員らは、長年、「はやとみ」が営む飲食店にて働いてきました。1日6時間から8時間の間で、ホールスタッフ・調理補助などで勤務していました。場所が観光地の定義山なので、観光シーズンや年末年始の西方寺へのお参りシーズンの際は9連勤することもあり、大変な職場でした。
そのような中、新型コロナウィルスの感染拡大のため、2020年4月中旬からお店が休業することとなり、組合員らも休業になり、休業手当を支払われました。そのことについては安心していたのですが、その後、組合員らは会社から退職勧奨を受けます。社長は組合員らと面談した際、社長夫人の体調不良を理由に「休業中のアルバイトを戻しても運営できない」「妻1人で運営する店にしたい」という趣旨の説明を行いました。そして、退職に合意するという書類をその場で書かせようとしました。しかし、組合員らは納得できなかったため、書類にサインをしなかったところ、会社は解雇を言い渡したのです。
その後、送られてきた解雇通知書には、「業績不振、業務形態の変更、食品衛生管理者(責任者)の体調不良」が理由と書いてありました。組合員らは、本当に会社の経営が悪化して大変なことになったのかと思っていましたが、実際には当初の説明と違い、現在に至っても、休業前の状態で普通にお店は運営しています。組合員らを除いた従業員らは普通に出勤し、新たにアルバイトを募集しようともしていました。つまり、経営状況が悪化しているとも思えず、二人を辞めさせなければならない事情は別にあったとしか考えられません。

〇今回の解雇は不当解雇に当たる

会社が行った解雇は、解雇通知書を見れば、「整理解雇」であると考えられます。しかし、今回の「整理解雇」は明らかに成り立ちません。「整理解雇」が合法になる場合は、整理解雇の4要件などの解雇に関する判例法理に照らし合わせて考える必要があります。その4要件とは、人員整理の必要性、解雇回避努力義務の履行、被解雇者選定の合理性、手続きの妥当性、です。しかし、上記の通り、「はやとみ」は休業前と同様に普通に経営しており、新たに人を雇おうとしている状況でしたから、「人員整理の必要性」があるように見えません。組合員らを休業させつつ、営業再開の時に再度出勤させれば事足りたはずです。そのため、「整理解雇」は成立せず、実質的には不当解雇であると組合は考えています。

〇賃金未払いやパワーハラスメントも。労働問題もきちんと改善してほしい

組合員らは、他にも労働問題を抱えています。「はやとみ」では、タイムカードがありましたが、そこに記載された通りに賃金や残業代が払われていませんでした。また、法令通りの割増賃金が支払われていない時間帯もありました。
また、組合員らは、パワーハラスメントの被害にもあいました。Zさんは、本人の心当たりがない中で、本人への事情の聞き取りもせず、いきなり従業員の前で怒鳴られる、他のアルバイトの人がミスをしたことなのにZさんが注意され、そのことについて抗議したら「言いやすいから」という理由で片付けられるなど、理不尽なハラスメントの被害にあっています。また、Xさんも被害にあっています。Xさんは、コロナの影響で子どもの学校が休みになったため「小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金」について相談しようと、お店に直接行きました。その際は社長がいなかったため、また来ると伝えて帰りましたが、その後、店を突然訪問したことに対して「常識がない」「自己中心的だ」「人の気持ちがわからない人間だ」などと社長から人格攻撃をされました。Xさんは、これまでも休みの日などに店舗に行ったことはありますが、その際に指導されたことは一度もありませんでした。
そして、有給休暇については、ウソを教えられました。法律で定められる有給休暇を「希望休暇」といいかえ、給料は発生しないと教えられたのです。有給休暇を不当に使わせない対応であり、違法行為です。
組合員らは、これらの問題についての解決を求め、ユニオンで交渉しています。

〇組合員らのコメント

「はやとみ」では賃金未払い、パワハラ、過重労働、飲食店にも関わらず厨房内での不衛生な行いがありました。また経営者にも関わらず、有給を知らないなど常識では考えられません。こんな経営者が今現在も従業員を雇い会社を経営しているとは恐ろしい限りです。
そして、虚偽の理由をもとに解雇された私達は大きな精神的苦痛を受けました。この件についてはしっかり責任を取ってもらいたいと思います。又、現在も従業員を募集しているようですが、まずは経営者自身が、きちんと、人を雇うという事について考え直すべきだと思います。

 

今回起きたことは、新型コロナに便乗した不当な解雇の一つだと考えられます。組合員らとともに、責任をとらせ、このようなことが起きない社会を目指して闘っていきたいと思います。応援よろしくお願いします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました