東北互光株式会社に勤める組合員のXさんは、今年1月に不当解雇が撤回されたものの、未だに職場復帰を認められていません。会社から何度もの退職強要を受けて、精神的苦痛を負っています。
また、賞与が支給されないために年収が減少してしまい、金銭的な不利益も発生しています。
10月5日には直接会社へ申し入れも行いましたが、未だに不誠実な対応が続いています。
以下、現在の交渉状況について詳細にご報告いたします。
10月5日、ユニオンは東北互光株式会社に直接出向き、申し入れを行いました。
ユニオンは、対応した取締役A氏に対して、Xさんの職場復帰について社内でこれまでにどういった検討をしてきたのか、その場で回答を求めました。しかし、取締役A氏は「それを今私がここで言うわけにはいかないので、それは個人的になってしまうから」、「正式にはやっぱり協議して、弁護士通してでよろしいでしょうかね」、「私取締役ですけど、人事労務ではないし。管轄が営業の方なので」、「あの時お前こういっただろって言うのが無いんならいいんですけど、あるから」、「今月間もなく検討することにはなってますので」などと言って、一切答えませんでした。
会社としてXさんに退職を求めると決定したならば、その理由についても十分話をした上で決定しているはずです。会社として決定している見解を取締役A氏が話すことは「個人的」な話ではありません。取締役という立場でありながら、「個人的になってしまう」などと言って回答を避けるのはおかしな話です。ユニオンはその場で何度も、直近の会議で決定している範囲なら答えられるのではないかと訊ねましたが、A氏の対応は変わりませんでした。
このように全く回答をもらえなかったため、私たちは申し入れのあと、会社前で抗議宣伝とチラシ配り、近隣へのポスティングを行いました。
10月5日に申入れをした内容は以下のとおりです。
Xさんは、東北互光に職場復帰することを強く希望しています。しかし、東北互光はXさんに退職を求め続けています。その際、合理的で正当な根拠は一切述べていません。どのような条件が整えば職場復帰できるのか、という質問にも一切答えません。ただ理由も述べず、単に退職してほしい、と言っているだけの状態です。
今、東北互光はハローワークに求人を出せていませんが、Xさんの在職中には利用していなかった求人広告を利用して複数の求人募集をしています。(理由についてはこちらのブログを参照:東北互光に5つの労働基準法違反で是正勧告!ハローワークの求人も差し止められました!)
東北互光は、「一般事務・総務」としてXさんの業務と重なる求人も募集していながら、Xさんの職場復帰を認めていません。これは明らかに不当です。人手が不足しているのであれば尚のこと、まずはXさんを職場復帰させるべきです。
このような状況に鑑みて、東北互光がXさんの職場復帰を認めない理由について述べられないのは、Xさんが労働組合員であるから職場復帰を認めないという以外に考えられません。正当な理由を述べられないから、会社は回答できないのでしょう。
この状況で職場復帰を希望するXさんに対して何度も退職を求める行為は、不当な退職強要です。東北互光が不誠実な態度や不当な退職強要を続けることは、不当労働行為という違法行為だと考えられます。
またXさんは不当な退職強要を繰り返し受け精神的苦痛を受けています。このためユニオンは、Xさんの職場復帰と、精神的苦痛に対する慰謝料を求めました。
東北互光では、毎年夏季と冬季に賞与が支給されます。しかしXさんは不当解雇に遭って以降、賞与が支給されなくなり年収が下がってしまいました。Xさんは、入社間もない賞与も支給された実績がありました。よって、賞与が0になることは無いはずです。
仕事をしていないなら、実績がないので賞与は出ないと思われるかもしれませんが、会社が一方的にXさんの出勤や仕事をすること認めていないのですからXさんは実績を出す機会をそもそも不当に奪われています。それによってXさんの賞与を支給しないのは、労働組合員への不利益な取り扱いであり、これも不当労働行為です。
労働基準監督署の指導により東北互光が提出した36協定届には、Xさんが所属する部署が該当する項目で1日に10時間までの法定時間外労働を命ずることができるという記載がありました。
災害などの緊急対応のほか、残務整理などでも1日に合計18時間もの労働を命ずることが可能と読める協定内容です。緊急対応時のみなら理解できるものの、残務整理などでも朝方まで勤務させることが可能な協定には問題があります。会社はユニオンの問い合わせに対し、緊急対応時以外の長時間の残業は年に一度あるかないかで、一度に5時間程度だと回答しました。しかし、協定にそうした但し書きがない以上、本当にそれが守られるのか明確ではありません。
そこでユニオンは東北互光に対し、緊急対応時と通常業務時の残業上限時間を明確に分けて記載するように協定の結び直しを求めました。また、結び直さなかったとしても、残務整理など通常時には10時間の残業が無いことなどを文書にて明文化するよう求めました。しかし、申し入れから一カ月以上経っても未だに東北互光からは回答がありません。
Xさんが不当解雇に遭って以降ユニオンは東北互光と闘争を続け、Ⅹさんの未払い賃金問題、ハラスメント問題、不当解雇の撤回など様々な問題を解決してきました。これらは大きな成果です。
求人募集が多いことから見ても、東北互光では離職者が増えていると予想されます。団体交渉の中で、社長もそのような趣旨の発言をしていました。
離職後でも構いませんので、東北互光の労働環境で困ったという方は、当ユニオンまでご連絡ください。未払い賃金が無いかなども一緒に確認し、請求することができます。ハラスメント被害があるなら、慰謝料請求や労働環境の改善を求めることも可能です。東北互光は、ハラスメントについてユニオンと協定を結んでおりますので、ハラスメントがあれば協定違反と言える状況です。
東北互光のなかで起きていることについて情報提供もお待ちしております。
これまでユニオンは、街頭宣伝を月に1回程度行うなど、東北互光に対する抗議を重ねてきました。そのたびに、好意的に声をかけてくださる皆さまに支えられてきました。これからもユニオンはXさんの職場復帰を目指し、東北互光が安心・安全な労働環境となることを目指し、闘い続けます。
一緒に声をあげる仲間が多いほど、労働者の労働環境は強く守られます。皆さまどうぞ応援よろしくお願いいたします!
※事案の詳細については、過去の記事をご覧ください。
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※その後の経過についてはこちらのブログもご覧ください。
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