仙台市でビル・マンションの清掃管理を行っている東北互光株式会社は、2020年7月末に不当解雇していたXさんの職場復帰を認め、2023年10月上旬より正社員で元の所属部署のまま職場復帰させました。これにより、当ユニオンが申し入れた東北互光の労働問題が全て解決しましたのでご報告いたします。
残念ながら、復帰以降、２０２４年１月２６日現在、復帰したXさんに対して会社がほとんど仕事を与えてくれないという新たな労働問題が発生しています。詳しくは以下の記事をお読みください。
【東北互光に新たな労働問題が発生】作業時間1日たった5分の日も！組合員に対する過小な業務配分は違法です！
※事案の詳細については、過去の記事をご覧ください。
病気で1カ月休職を申し出たのに３週間後には解雇された！ビルメン管理の東北互光株式会社に団体交渉を申し入れました！
東北互光株式会社は根拠のない復職拒否をやめてください！労働組合活動を理由に復職を認めないのは不当労働行為です！
東北互光から不当解雇撤回を勝ち取りました！それでも会社はXさんを退職させる考え…早く復職を認めてください！
東北互光とユニオンは、ハラスメントを無くすために労使協定を結びました！残すはＸさんに対する復職拒否の問題のみです。
東北互光株式会社は組合員に対するパワハラ行為をやめてください！不当解雇撤回から1年半以上も復職拒否
（そのほかの東北互光関連のブログ一覧はこちらをご覧ください）
この問題は2020年7月末にXさんが不当解雇に遭った直後から始まり、ユニオンの交渉の結果2021年1月に解雇が撤回されたものの、給料は払い続けるが職場には戻さないという復職拒否の状態が長く続いていました。ユニオンは、組合員に対して復職拒否を続けることはパワーハラスメントであり、不当労働行為にもあたるとして抗議を続けてきました。
その結果、今年7月に東北互光はXさんへの復職拒否が不当であったことを認め、10月に職場復帰が実現しました。これはとても大きな成果です。
3年を超える東北互光株式会社との労使交渉によって得られた主な成果は以下のとおりです。
- 不当解雇の撤回
- 元の配属部署のまま正社員として職場復帰が実現
- 会社がXさんの未払い賃金とその遅延損害金を支払う（未払いの時間外手当、不当解雇により未払いとなっていた期間の賃金、不当解雇および復職拒否により未払いとなっていた期間の賞与など）
- 会社がXさんに対するハラスメントを認め謝罪し、慰謝料を支払う
- パワーハラスメント・セクシャルハラスメントを行った取締役2名を会社が譴責処分
- 会社がハラスメントの再発防止策を講じる
- 会社とユニオンが「ハラスメントに関する労使協定」を締結
Xさんが不当解雇以前と同様、正社員で所属部署も変わらずに職場復帰することができたのは特に大きな成果です。会社は、Xさんに対するパワーハラスメントやセクシャルハラスメントがあったことも認め、ユニオンとの労使協定締結や、社内外の相談窓口設置と全社員への周知など、再発防止策も講じてきました。これによって、Xさんもより安心して復職することができました。
また、Xさんに対する未払い賃金や未払い賞与なども全て支払われました。
東北互光は団体交渉のなかで、他の社員の未払い賃金についても本人からの申し出があれば確認し、支払うという趣旨の説明をしています。1分単位で時間外手当が支給されていない、休憩が十分取れていないなど、未払い賃金があるかもしれない！という方は、お気軽にユニオンへご相談ください。
このたび、私の望んだかたちで解決に至ることができたことを大変嬉しく思います。ユニオンの組合員の皆さまはじめ、街頭宣伝でチラシを受け取ってくださった方、温かいお声がけをいただいた方、ブログの拡散にご協力いただいた方など、長いあいだ応援していただき本当にありがとうございました。
私は今後も職場の労働環境をしっかり改善していくために、必ず復職すると決意していたので、解決に至るまでとても長い時間がかかりました。自分の為だけに闘うのであれば、復職せずに早期解決という道もあったと思いますが、私がここまで頑張ってきたのは「次世代に向けて、労働環境の改善に取り組むことは私たち世代の責任である」と感じていたためです。
体調面や経済面など、様々な理由で難しい方が無理をする必要はありませんが、できる人が諦めずに続けることはとても重要だと思います。私も、ユニオンの仲間に支えられながら「今の私にならできる」と思えたのでここまで交渉を続けてきました。
ブログ発信などをしていると「こんなひどい職場なら転職したほうが良い」という意見を耳にすることも多々ありました。しかし、私の職場だけが特別に労働環境が悪いというわけではなく、転職したとしても必ず労働環境の良い職場に転職できるとは考えにくいのが現状です。
私たちはこれまで、ひとつひとつの小さな問題を“（どこも・誰も）みんな同じ”だから“仕方ない”と許容しつづけ、その結果、声のあげ方すらもわからなくなってしまっていました。
「私さえ我慢すれば」は、本当に私だけの問題なのでしょうか？「私さえ我慢すれば」は知らず知らずのうちに、「私も我慢している」のだから「あなたも我慢すべき」を押し付けてはいないでしょうか？これは、私が日々、様々な場面で感じている違和感です。
一人で全ての会社の労働環境を変えることはできませんが、みんながそれぞれの会社の労働環境を変えることはできます。私たちの小さな一歩が私たちの労働環境を大きく変化させる、そんな未来を信じて支え合える仲間がユニオンにはいます。職場内で日々つらい思いをしている方、違和感を抱えている方…自分にできるベストな解決方法をユニオンでは仲間と一緒に探していくことができます。
「労働組合とかユニオンってよくわからないしちょっと怖そうだな」と感じている人もいると思いますが、海外では若者にとっても身近なものだそうです。日本国内でも、気軽に相談できるコミュニティとしてユニオンをもっと身近なものに感じていただけたら嬉しいです。
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