仙台けやきユニオンは、株式会社シーティーシーに団体交渉を申し入れました。
当ユニオンに加盟したのは、派遣社員のGさんです。
〇派遣先からのパワハラ被害
Gさんは、2017年12月から株式会社シーティシーから派遣先であるA社の設計補助の仕事を紹介されました。派遣会社から長期で働けるようにフォローすると言われた事もあり、Gさんはこの派遣先で働くことにしました。
ところが、働き始めると派遣先の上司からのパワハラが始まりました。
Gさんの前任者に対する苦情を、関係のないGさんに事あるごとに言ってきたり、契約外の業務をさせようとしたり、職場の飲み会の仲間外れにされるなどの嫌がらせもありました。
また、別の上司からは、十分な説明もなしに仕事を丸投げされるなどもありました。この上司は、派遣先の労働組合の役員で、労働者の権利や労働環境を良くする立場の人からの仕打ちに、Gさんはとてもショックを受けました。
〇派遣元に苦情を言うも、対応してくれない
Gさんは派遣会社にも相談をしましたが、派遣元のシーティーシーは派遣先にパワハラ問題を指摘するどころか、ハラスメント加害者に対して「Gさんはあなたをいい人だと言っている」などと嘘の報告をしてごまかしていました。派遣期間が始まってから幾度となく相談してきたのに、一切まともな対応はありませんでした。
〇契約更新の約束をした直後の、違法な雇い止め
そのような中でもGさんは頑張り、今年4月、派遣先の上司から派遣期間の更新の打診をされました。このオファーをGさんは了承し、派遣元に伝え、派遣元からも更新する旨の連絡が来ました。Gさんはこれでまたしばらくは仕事ができると思っていました。
ところがそれから一週間ほど経って、急な雇止めが一方的に通告されました。派遣先の方で仕事が２件失注したので派遣契約の更新ができなくなったから、契約更新ができなくなった、5月末で雇用は終了するというのです。
Gさんは納得できず、派遣会社に苦情をいいましたが、適切な対応をしてくれませんでした。派遣元は、別の派遣先を紹介するなどの対応もしてくれません。契約更新の後の雇い止めは、解雇と同じで、社会的に合理的な理由が必要になります。それがない今回の雇い止めは明らかに違法なものです。
〇７月１１日の団体交渉でも不誠実な対応
２０１９年７月１１日に団体交渉が行われました。その場で会社側は、非常に不誠実な対応をしました。こちらが主張するパワハラ問題について、苦情を聞いていた事実はあったが不適切な対応しかしていなかったことがわかりました。労働者からの苦情申し立てを、記録しておらず、また派遣社員とのやりとりや会った記録なども一切記録していなかったのです。非常にずさんな管理をしている実態が明らかになりました。自分たちの労働者を守ろうという気が全くありません。
また、派遣期間の終了後に新たな派遣先を探そうとしたが「本人の感情を配慮して連絡しなかった」というような主張をしましたが、以前、Gさん本人には「宮城に詳しくないから探せない」と言っていたにもかかわらず、嘘をついてきたのです。それらのおかしな点を追及し、法的責任は別としても会社として悪かった点があることを認めてほしいと迫りましたが、会社は「検討しないとわからない」の一点張りでした。法的責任に限定せずとも、会社の対応として悪かった部分があれば謝罪すべきです。それすらしない態度は、非常に不誠実だと思います。
〇多くの派遣社員のためにも、ユニオンで闘います
Gさんは納得できず、方々に相談している中で仙台けやきユニオンにたどりつきました。
Gさんは、過去にも派遣社員として労働問題にあったことがありました。そのときは、派遣元も派遣先も適切な対応をしてくれなかったと言います。派遣会社はお客様である派遣先に強く出られず、派遣先は雇用責任を免れてしまいます。結果としてそのしわ寄せを受けるのは、派遣社員。その時、Gさんは悔しい思いをしました。
今回はそうしたくない、団体交渉を通して、理不尽をただすとともに、派遣社員のおかれている劣悪な労働環境を変える一石を投じたい、とGさんは考えました。
仙台けやきユニオンはGさんをはじめ派遣社員の方たちを支援していきます。応援よろしくお願いします。
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