労基に申告したら親や恩師に連絡!? 是正勧告も出た基礎地盤コンサルタンツの誠実な対応を求めます

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私たちは現在、裁量労働制の不適切な適用がなされていた基礎地盤コンサルタンツ株式会社に対し、組合員Aさんの未払い残業代の支払いなどを求めて団体交渉を行っています。

Aさんは地質調査の「現場代理人」として現場でボーリング作業を請け負う下請業者間の調整、ボーリングコアの写真撮影、調査結果の分析などに従事し、繁忙期には100時間近い月の残業が発生しながらも、30時間分の残業代に相当する裁量労働手当月57000円以外には残業代が一切支払われていませんでした。

Aさんの働き方の実態や同社の裁量労働制の法的な問題点など、詳しくは過去の記事を御覧ください。

基礎地盤コンサルタンツの裁量労働制は無効!? 残業代の全額支払いを求めてユニオンで交渉中です!

 

 

〇労基に申告したら親や恩師に連絡されそうになる

実は組合員Aさんは当組合に加入する前に、自らに適用されていた裁量労働制が無効であると考え、3月9日付で会社に対して未払い残業代を内容証明郵便で請求していました。その後、本社の部長から会社の裁量労働制は法的に問題がないこと、賃金請求の内容証明郵便は社長にみせず部長が預かっておくという話をされましたが、合理的な説明になっているとは思えずAさんは納得できませんでした。結局、内容証明郵便で指定した期日までに支払いがなかったことから、Aさんは労働基準監督署に裁量労働制の無効と残業代不払いについて申告を行います。

その後、Aさんはうつ状態で休職中にもかかわらず5月17日に東北支社に呼び出され、支社長と部長の2名から、残業代を請求したり労基署に申告したことが「信頼関係」を損なったとして、「今休職扱いになっているけれども、終わったとしても、ここに戻る席はないんですよ」と告げられます。

またその場で部長は、Aさん請求額の全額ではなく会社が独自に計算した50万円と10月までの休職期間の給与を受け取って今すぐこの場で退職届を出すよう「提案」を行いました。さらに部長は、その提案を断るのであれば、入社時に保証人として誓約書を書いているAさんの親や、Aさんを会社に紹介した大学の教員に、今回残業代請求をしたことや労基に申告したことを告げることになると、どちらかを選ぶようにと迫ります。

残業代の請求や労基への申告は労働基準法にも定められた労働者の基本的な権利です。その正当な権利を行使したことを理由に、無関係の親や教員にこのことを告げるのは、明らかに脅迫行為です。

その当時の録音をこちらで動画として公開しています(3:30のダイジェスト版)

労基に申告したら親や恩師に連絡されそうに… 基礎地盤コンサルタンツ株式会社の脅迫発言

部長は当時Aさんに考える時間を与えてくれず、その場で決めるように迫りました。Aさんは一週間後に返事するから待って欲しいということにするだけで精いっぱいでした。

こうした経緯から、もはや一人で会社と交渉することは限界であるとAさんは感じ、当組合に加入し会社に団体交渉を申し入れました。

 

〇団体交渉でも脅迫行為の問題性を十分に理解せず、形式的な「謝罪」を行うのみ

先日6月14日に行われた第一回の団体交渉では、会社はこの一連の行為があった事実を認めました(会社側も当時すべて録音を取っており、発言内容の事実に争いはありません)。その上で、組合の追及により、その場で会社は謝罪しました。しかし、組合としてはどうしてこのような脅迫行為が行われたのか、その原因や、本件を会社としてどのように考えているのかあらためて文書で回答するように要求していました。

ところが7月13日の会社回答書および先日7月19日に行われた第二回の団体交渉では、本件について謝罪をするとしながらも、原因の認識は次の通り極めて問題のあるものでした。

・親に連絡すると言った理由は、現在休職中の組合員Aさんの体調や復職後の勤務について、親と連携を取りながら進めていきたいから

・教員に連絡すると言った理由は、同じ大学から今後も人を採用する可能性が高いためAさんの近況に言及せざるを得ないから。また教員に学生時代のAさんの人となりを確認したいと思ったから

そもそも5月17日は、録音にも残っている通り、休職後に会社に戻る席はない、今すぐこの場で退職届を書いてほしいと部長が発言しています。親と連携しながら休職中の体調や復職後の勤務について相談したかったという会社の説明は、この事実に完全に矛盾しています。

また教員にはどのような「近況」を伝えようとしていたのでしょうか。残業代請求と労基への申告は法律に定められた労働者の権利です。しかし会社の対応や説明からは、こうした権利行使自体が「信頼関係」を損なうものだという姿勢がうかがえます。教員にそのような社会的に見て不適切な会社側の認識に基づいたAさんの「近況」を伝えるということ自体が不適切です。また、繰り返しになりますが、この場で退職届を出せば教員には言わないのですから、今後の採用に特に関係はありません。学生時代のAさんの人となりの確認が必要な理由も分かりません。

会社は第二回団体交渉の席で、問題発言を行った部長には謝罪させると繰り返しまた。しかし5月17日には東北支社長も同席していました。今回の脅迫行為が部長の独断でなかったことは明らかで、会社全体の責任は免れ得ません。

脅迫の原因の説明も以上の通り極めて不合理で不誠実であり、さらに脅迫発言を行った部長の問題だけに矮小化させるような対応はAさんにとって受け入れがたいものです。

以上の経緯から、当組合は5月17日の部長の発言を公開し、抗議する運びとなりました。

〇是正勧告

7月7日に仙台労働基準監督署は基礎地盤コンサルタンツ(株)東北支社に対し、

①労働基準法37条違反

②労働基準法104条違反

で是正勧告を出しました。

①裁量労働制の労使協定締結の際の労働者代表が法律に定められた適切な選出方法ではなかった(従業員の民主的な話し合いで決められていなかった)として、裁量労働制を無効とし、その上で残業代を未払い賃金であると認定するものです。またAさんの働き方についても、裁量労働制の適法な運用の前提となる裁量があったとは判断できないとしたうえで、裁量労働制の運用について見直すべきだと指導票が交付されました。

②労基署が5月17日の会社の脅迫行為が労基法104条2項の「使用者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならない」に違反したと認定しました。なお、是正勧告後の会社の回答書や団交での回答には、労基署から104条違反で是正勧告が出たことに言及がありませんでした。団交での組合の追及に対しては、会社は是正勧告は「労基署と会社のやりとり」なので詳細は開示できないと回答しています。

以上の通り、基礎地盤コンサルタンツの対応はきわめて不誠実です。残業代の請求や労基への申告が認められなければ、「ブラック企業」はやりたい放題になるでしょう。引き続き私たちはこの問題の誠意ある改善を求めて交渉していきます。

 

〇裁量労働制相談ホットラインのお知らせ

下記の期日に裁量労働制に関する電話相談ホットラインを開催いたします。裁量労働制が適用されていて残業代が支払われていない、裁量労働制の下で働き過ぎになっているなど、困っていることがあればぜひお気軽にご相談ください。相談は無料・秘密厳守です。

 

・裁量労働制相談ホットライン

8月21日(日)13~17時

TEL:03-6804-7650

 

 

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